令和3年1月~2月にかけて、秋田県県南部は観測史上最大規模の豪雪に見舞われました。
ニュースでは連日のように「1日の降雪量が観測史上初」の記録を叩き出し、災害レベルに到達。自衛隊が派遣される事態となりました。
ニュースでは雪下ろしや除雪中の事故で大けがや亡くなる方が後を絶たない状態で、止まない雪の恐怖に怯える日が続きました。
◆横手市 最深積雪量203cm(過去5年間平均1.8倍)
◆累加降雪量は令和3年2月10日時点で10mを超えました(過去5年間平均1.6倍)
※国土交通省湯沢河川国道事務所観測データより
2月4日 当時のニュース(YouTubeより)
豪雪で問題となったのが、雪寄せで敷地に積み重なった雪の処分をどうするかです。
屋根の雪下ろしをしようにも、敷地はもう雪で埋まってしまい。ローダーやダンプなど業者の手配が付かなければ屋根の雪下ろしができない家庭も多くありました。お知り合いを頼りにしていても、豪雪となると依頼が殺到しており、お断りされることもありました。
「もう敷地に雪寄せ場所がない」、「市の雪捨て場が大渋滞で運べない」、「業者や知り合いにお願いしても断られた」という状況になりましたが、それでも雪は容赦なく積もり続けました。流雪溝やロードヒーティングはこのような事態に活躍します。
しかしこの年の雪は弊社も経験したことのない大雪です。この状況下でヒートポンプ式融雪システムは無事に雪を融かせているのか心配になり、お客様のお宅を訪ねました。
2月初旬のまだ雪の多い時期でしたが、訪問させていただいたお客様のなかで、3件のホームページ掲載許可をいただいたきましたのでご紹介させていただきます。
玄関アプローチ。コンクリートが乾いています。
融雪部分がはっきり分かります。
物置が問題なく使えています。右側にあるのが熱源機です。
カーポート下は融雪未施工なので雪寄せをしているとの事です。
周辺の皆が大雪で疲労困憊する中、I様のお宅はコンクリートが乾いていました。
全く除雪作業が必要ないわけではないそうですが、とても前向きな気持ちで雪と向き合っておられる印象でした。融雪未施工部分の雪を崩したりして、敷地内の雪を融雪処理されている様子でした。
外物置までの通路にも融雪を施工していたため、物置が雪に埋もれることなく使えたようです。一晩で膝まで雪が積もる日が続いたので、物置が開けられなくなってしまったご家庭もあったと思いますが、こちらのお客様は、物置の屋根の雪下ろしができるほどの余裕がみられました。
融雪部分に雪を均すことで、敷地全体の雪をきれいに処理されていました。
屋根からの雪庇落雪の衝撃で曲がった熱源機の屋根
こちらは流雪溝のない地区で除雪機なども使われていないお客様です。 周囲に積もった雪を融雪部分に散らすなどしながら、敷地の雪を綺麗に溶かして冬を乗り越えられたとの事です。 物置の背面の雪の高さが自然積雪の高さです。これだけの高さで敷地全体に雪が積もっていたかと思うと、融雪設備の効果を実感されたとの事です。
<大雪の爪痕が…>
大雪のため熱源機に設置した屋根に落雪した事があり、曲がってしまったとの事です。屋根勾配からして、こちら側に雪が落ちることは考えにくいのですが、観測史上最大級の豪雪に私たちの常識など通用しませんでした。念のため屋根をつけておいて正解だったようです。
融雪と雪かきの合わせ技で雪がすっきり片付いています
写真右奥にある雪の壁がこの年の積雪量の多さを物語っています
まだ雪が止まない2月初旬にお伺いしました。周囲では雪の寄せ場に困っているご家庭も多く、人の背丈ほど雪が積み上げられているお宅も見受けられましたが、T様のお宅の敷地は雪がすっきりと片付いておりました。
お話によると、スノーダンプと融雪の合せ技で、敷地に積もった雪を土間(融雪部分)に散らして溶かしこの冬を乗り切っておられるとの事でした。
熱源の設置は1台ですが、敷地の広さをみても、手作業と融雪の合せ技でかなりの量の雪を処理できた事がわかります。